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この手の中の恋の一片を

BL作家*四ノ宮慶の商業活動等をお知らせするブログです。

 J*GARDEN 35配布ペーパーSS『橘晃己の四次元ポケット』

『橘晃己の四次元ポケット』シャレード文庫『落椿』より
内容が内容なので折り畳んでおきます。SM描写有り閲覧注意




 橘は不思議な袋を持っている。それは一見するとどこにでもあるような紙袋なのだが、中には予想もできないものが入っているのだ。
 白い、無地の紙袋。ふだん何処にしまっているのか、晴矢はおろか組員の誰も知らない。
 晴矢がその紙袋をはじめて目にしたのは、大久保組組長として心の底から信頼し、そして密かに恋い焦がれていた橘に、てひどく裏切られたときだ。
 橘は紙袋から次々と禍々しい淫具を取り出しては、ベッドの上で全裸になった晴矢の軀をそれらの道具で辱めた。
 ローションに始まり、黒光りする男根を模したディルドやローター、過剰な装飾が施された手錠などの拘束具、荒縄や鞭……。果てには巨大な馬のナニを象ったバイブを目の前に突きつけられたとき、晴矢は橘の生気を心から疑ったものだ。
 夜毎繰り返される淫らな躾の際、橘は必ずこの白い紙袋を持参した。見ためはそれほどものが入っているようには見えないのに、橘が手を突っ込むと驚くような淫具が後から後から出てくる。
 まるで、ド◯えもんのポケットみたいだ    
 手錠を後ろ手に嵌められて椅子の上に腰かけながら、晴矢は紙袋からコックリングとアナルプラグを取り出す橘を見つめていた。
「た……橘っ」
 連日の調教のせいで、晴矢は白い紙袋を見るだけで身体が熱くなるようになってしまった。すでに股間に血液が集まり始め、丸い先端が上向こうとしている。
「なんだ、もう感じているのか?」
 アナルビーズをプラプラと晴矢の目の前で揺らしながら橘が蔑む。
「ちがっ……」
 晴矢は慌てて首を振ったが。橘に手にしたアナルビーズの先端で勃ち上がりかけていたペニスをツンと突かれて悲鳴をあげる。
「ぃあ  っ!」
 鮮烈な快感と痛みに、晴矢のペニスが呆気なく勃起した。
「これでも違うと言うのか? うちの組長様は素直じゃないな」
 揶揄うような声で橘が言って、勃起した晴矢のペニスをいきなり扱き始める。
「やっ……ぁっ……やめっ」
 やめてくれ  と言いつつも、声には淫らな艶が交じり、身体が薄紅色に紅潮していく。漏れ出る声は甘い嬌声となって、拒絶の言葉はなんの意味も成さない。
「勝手に勃起されちゃ困ります。せっかくのプラチナのリングなんですから、しっかり嵌めてもらわないと……。きっとよく似合いますよ、組長」
 ゆるゆると、そして的確に晴矢の弱い部分を擦り、刺激しながら橘が嘲笑った。
 やがて呆気なく絶頂を迎えた晴矢のペニスに、橘がコックリングを取りつける。
「さあ、今夜は我慢を覚えていただきます。いつもいつも自分ばかり感じられては、お客様の不評を買いかねないからな」
「……た、橘っ」
 愕然として瞠目する晴矢の軀に、橘は言葉に尽くせない快感を与えたのだった。

         **********************

「大丈夫ですか、組長」
 夜明け近かった。晴矢は調教の途中で意識を失ってしまったらしい。汗と精液と唾液と……失禁した尿とで汚れた身体はすでにきれいに拭われ、着替えも終わっている。
「……たちばな」
 先叫び過ぎて嗄れた声で晴矢が声をかけると、橘があの白い紙袋を手に振り返った。
「え……、な、なんでっ」
 今夜はこれで終わりだと思っていア晴矢は、まだ橘が調教を続ける気なのかと息を呑む。
「どうされたんですか」
「そ、それは……、なんだ?」
 平然として紙袋に手を突っ込む橘に、晴矢は戦きながら訊ねる。
「ああ、お疲れのご様子だったので……」
 言って、橘が何かを取り出す。
 バイブか、はたまたローターか、晴矢は無意識に身構えた。
「腹、減ってませんか? 確か夕飯もあまり召し上がってなかったでしょう」
  え」
 目を疑う。
 アナルビーズを取り出したのと同じ紙袋から、クロワッサン  しかも行列ができると有名なベーカリーショップの  が出てきたのだ。
「コーヒー牛乳か牛乳、どちらがいいですか? あ、違う、これは拡張プラグだ……あ、あったった。フルーツ牛乳もありますが」
「どれも……いらない。お前が好きに食えばいいだろ」
 橘が訝しむように見つめるが、晴矢は黙って背を向けた。
 見てはいけないものを見てしまった  
 そんな想いに、ただただ胃が痛む晴矢だった。
                 end 四ノ宮 慶 2013.11.04

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