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この手の中の恋の一片を

BL作家*四ノ宮慶の商業活動等をお知らせするブログです。

 J*GARDEN 33 帰っちゃうのポスター

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「どない? ちゃんと踊れそうか?」
 サッカー部のキャプテンで地区の選抜にも選ばれる荒瀬はダンスも上手かった。
「ん……サビのとこ、カウントがどないしても遅れてまうねん」
 運動オンチの俺のために、わざわざダンス曲をDLしてくれた荒瀬。振り付けが覚えられない俺に付き合って、部活の後も一緒に踊ってくれた。
「大丈夫やって、お前、昨日の練習でも完璧やったやん」
「せやけど、やっぱり緊張してきて、不安なんや……」
 俺たちの出番は次の次。召集がかかって集まった入場門の脇で、俺は何度も荒瀬がDLしてくれた曲を聴き返す。
「出だしの次の……ステップのトコ、あそこもむっちゃむずいやん」
「ああ、お前いっつもあそこで遅れてたもんな。……もう1回、一緒に合わせとくか?」
 面倒見がいいのに、それが嫌みじゃなくて……女子にも人気あるの納得できる。
「いや、ええわ。とにかく曲聴いて、カウントだけ外さんようにする」
 人懐こい荒瀬の腕が、俺の肩を抱いているのが、嬉しくて苦しい。
 鼓膜を揺さぶるベースとドラムの音が、まるで俺の心臓の音みたいだ。
「もうちょっとだけ……聴いときたいねん」
「……まあ、まだ時間あるし、しっかり聞き込んどいたらええわ。もしお前が間違っても、俺がちゃんとフォローしたるし」
 もう何日もの間、今日がこなければと願っていた。ずっとずっとこうして、荒瀬と一緒に聴いていたかった。ずっと二人で、同じ時間を過ごしていたい。
「なあ、荒瀬……」
「ん? なんや、泣きそうな顔して。大丈夫やって、心配するな。俺がついてるやないか」
 太陽よりも眩しい笑顔に、何も言えなくなる。
 なあ、荒瀬。体育祭が終わっても、こうやってまた俺と一緒にいてくれるだろうか?
 口にできない想いは、秋の空に吸い込まれてしまう。
 好きなんだ、荒瀬。
 だからもう少し、一緒に聴いていよう……。
 



イラストは『J.B.Pro』のほしの・しらどさん。J庭のお題に合わせて仲睦まじい学生クンたちを描いて下さいました!
しらどっち、いっつもありがとう!

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